No.10
株式会社桜建築事務所TOSHIYUKI KUMASAKA
逆境にともに立ち向かったパートナー。ユニィディオにしかできない仕事があります。
- 会社概要
- 株式会社桜建築事務所
代表取締役 熊坂 利幸
神奈川県愛甲郡愛川町中津 3367-7
TEL 046-285-0351 - 神奈川県愛川町・厚木市・海老名市を中心に、デザインと住宅性能、そしてコストとのバランスを追求した注文住宅を提供している桜建築事務所様。家づくりのプロセスと、そこから始まる家族の楽しい時間に向き合った家づくりを行っています。
- https://sakurakentiku.jp/
- 代表取締役 熊坂さんの経歴
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大学卒業後、大手ゼネコンにて現場監督の経験を経て、2001年に父親が経営する株式会社桜建築事務所に入社。ローコスト住宅で業績を大きく伸ばし、2011年に代表取締役に就任。東日本大震災をきっかけに「大切なものを大切にする家づくり」にシフト。現在の高気密高断熱住宅に取組む。デザイン・性能・価格の「バランス最強な家づくり」を推進中。
- まずユニィディオに出会う前の御社の状況をお聞かせください。
- 父が創業したこの会社に私が入社したのが2001年のこと。当時の弊社はローコスト住宅を得意とする建築会社として少しずつ業績を伸ばしておりました。その後2011年に私が社長に就任したのですが、なんとその10日後に東日本大震災が発生。それまで金融機関からの借り入れをすることなく経営していましたが、震災を境に一気にキャッシュフローが苦しくなっていきます。しかしあの地震は、ローコスト住宅から高性能住宅へと大きく舵を切るきっかけにもなりました。とはいえその転換がすぐに実現できるわけはありません。しばらくはローコストと高性能という、まったく性質の異なるふたつの商品を扱うことになります。しかしそれがなかなかうまくいかなくて……。社長になってすぐに、最大の逆境を味わいましたね。ちなみにこれは後日談なのですが、当時のことをスタッフに聞いたら「この先どうなるのか、あの時はとても不安でした」って言うんです(笑)。でも実際はそんな気持ちを表に出すことなく「熊坂社長ならなんとかする」と信じてついてきてくれたと思うと、感慨深いものがありますよね。
- ユニィディオとの出会いと当時の印象をお聞かせください。
- 山田さんとはじめてお会いしたのは、今から8年前の2013年。先ほども言ったとおり、社長就任と同時に震災があり、そこから約3年は試行錯誤の連続でした。そんな中でお付き合いが始まったユニィディオに対する印象は最初から変わっていません。ひと言で表すなら「言葉にできないものをカタチにする人たち」です。例えば我々はずっと職人や社員を大切にしながら事業を行ってきたのですが、それを他のコンサルタントに伝えても、ほとんどが「人を打ち出しても、家は売れませんよ」といったことを言ってきます。しかしユニィディオだけは違いました。日々の打ち合わせやツールの制作過程を通して、私の意図や思いを懸命に汲み取ってくれます。そしてそれまでは思うように言語化できなかった感覚的な部分を丁寧に拾い集めて、一つひとつの案件やプロジェクトに落とし込んでくれました。あの頃は経営的にも精神的にも負荷がかかっていた時期ではありましたが、ユニィディオと出会えたことで、ブランディングに力を入れるという大きな決断ができたと思います。そしてその結果として「高性能住宅に注力する」という会社としての方向性も定めることができましたね。
- 数年間でさまざまなプロジェクトを経験する中で、何か御社に変化はありましたか?
- まず大きなところとして、私を含めたすべての社員の仕事に対する考え方が、少しずつ変化していきました。会社は人の集まりであり、ともに働く社員たちがそれぞれが影響を与え合います。しかしそれは決してポジティブな影響ばかりではありません。たとえば仲間に対して「もっと仕事をしてほしい」とか、周りと比較しながら「自分ばかりが頑張っている」といったような声が出てくることもあります。それらはすべて個人の感覚なので、そういった意見があること自体は否定はしませんが、それに引っ張られて全体がネガティブな空気になっていくのは、チームとして健全ではないと感じていました。そんな中で山田さんがファシリテーションをするワークショップを行い、そこから社員の雰囲気や意識が変わっていったと思います。営業や設計、広報など、それぞれの責任者がテーブルを囲み、意見を出し合いながら理念をつくっていく。その経験をしてからは、なにかネガティブな感情が生まれそうになったとしても「ちょっと待ってよ。自分たちは何のために働いているんだっけ?」と本質を見失うことなく、原点に立ち戻れるようになっていきました。あのワークショップの時間をともに過ごしたこと、そして桜建築事務所で働く意義を共通認識として持てたことは、会社にとってすごく重要だったと実感しています。
- これまでに印象に残っていることやプロジェクトを教えてください。
- 1つ挙げるとすれば、やはりブランド構築のためのワークショップです。その理由は実施した時期にあります。繰り返しになりますが、当時は大きな経営判断もあり、事業としてもローコスト住宅からの脱却を目指して高性能住宅に着手しはじめたころ。しかし家づくりの価格と性能はトレードオフの関係にあるので、お客様の中に「ローコスト」か「高性能」かの二択で悩まれる方なんて基本的にはいません。だからその2つを紹介するのはとても難しいんですよね。「価格は抑えたほうがいい」と謳う一方で「高性能がいい」とも言うわけですから、どうしても理屈が合いません。その状況を打破したいという願いもあり、ユニィディオにブランディングを依頼することになります。そして「お客様が住まいに求める本当に大切なことは何か」ということに、真剣に向き合うことができました。もちろん低価格であることはお客様にとってメリットです。ただ私たちの家づくりにおいては、価格よりも、家そのものの価値、つまり性能とのバランスが大切であるということがブランド構築を進めることで明確になります。結果として、迷うことなく高性能住宅を推進し、そこから約6年かけてローコストをメインとした事業からの脱却に成功。すべてはあのブランディングのプロジェクトがあったからできたことです。また2020年には経営理念の再構築もユニィディオに依頼しました。そう考えると2013年の出会いから積み上げてきたユニィディオとの関係性は、案件を重ねるたびにより確かなものになっていると思います。私たちのことを真剣に考えてくれて、深く知ってくれているからこそ、Webサイトにも販促ツールにも桜建築事務所らしさが滲み出るんですよね。見た目がいいだけのものをつくれる会社はたくさんあると思うけれど、ユニィディオでないとできない仕事がたくさんあると確信していますよ。
- 最後に今後の展望をお聞かせください。
- まずは、より強い組織づくりがあります。弊社には社歴が10年を超える社員が多いので、今後は新しいスタッフを採用していく予定です。もともと意識的に各部署のパワーバランスはとってきました。これからも営業、設計、現場のどこかひとつが突出することなく、バランスよく育てていきたいと思っています。そのためにも、これまで以上に理念を浸透させていく必要がありますね。
また「年商20億円」という目標も設定しています。ただ数字を追いかける気持ちは、少し薄れてきました。目標達成のための具体策はいろいろと考えて実行もしていますが、やはり根幹となるのは「ご縁のある人を幸せにしたい」という思いです。お客様はもちろん、社員や地域社会をも含めて、幸せをつくれる企業でありたい。そしていまあるご縁だけではなくて、その縁を広げていきたい。そう願っております。それを実現するためにも、高性能住宅を中心とした商品の品質をどんどん高めていく努力が絶対に必要ですね。
よく『理と利の統合』と言われますが、事業を進める上で私たちもその考え方を忘れてはいけません。それができれば幸せをつくれるはずですから。そのために私は社長として何ができるのか、また困ったり、悩んだりすることがあると思いますが、そのときはユニィディオに相談させてくださいね!