INTERVIEW

No.19

株式会社ラフトYASUHIRO MATSUNAGA

ラフトの役割が明確になり、設計といえば当社にという流れが生まれました。

会社概要
株式会社ラフト
代表取締役 松永 康宏
大阪府大阪市西区新町1-28-11 安川ビル3F
TEL 06-6538-3355
意匠設計・構造設計・設備設計の確かな経験と実績をもつ専門家集団が在籍し、大規模・中規模のビルや施設、小規模の一戸建てまで多くの要望に応える。幅広い専門知識とノウハウをもとにお客様が抱える課題やその解決策を捉え、建物の設計に留まらない付加価値のあるサービスを目指している。
https://www.raft-inc.jp/
代表取締役 松永さんの経歴

京都の設計事務所(株)エムズスペースにて建築の基礎を学び、 芦屋のマニエラ建築設計事務所にて高級デザイン住宅などの設計に従事。その後、故大江匡創業のプランテックグループでオフィスビルや商業施設など建築規模のある多種多様な建物を設計。(株)ケイ・アイ・エスに入社し、設計・施工のベストな在り方を学び、取締役を経て2015年にラフト創業。

初めに御社の事業内容についてお聞かせください。
当社は建築物の設計と監理を行う設計事務所で、意匠設計・構造設計・設備設計の全てが自社内で行えることが特徴です。
さらにマンション、工場、老人ホーム、商業ビル、戸建て住宅、クリニックなど、得意とする分野はかなり多岐に渡っています。

設計事務所のほとんどは、アトリエ系と呼ばれるタイプで、これは一人の設計士が中心となって設計を手がけるやり方ですが、当社は反対に組織系と呼ばれる設計スタイル。代表の私がすべての設計を手がけるのではなく、チームワークで仕事を進めています。業界の中でも珍しいスタイルの組織作りをしているので、あらゆるご依頼に対応できます。
当時の御社が抱えておられた課題についてお聞かせください。
当社は2015年にK・I・Sグループから独立したのですが、当初はK・I・Sのホームページをそのまま引き継いで使用していたのです。ですが設立して2年ほど経った頃に、思いきってホームページを一新することにしました。

そのとき真っ先にユニィディオさんに相談したのですが、山田社長からのお返事は「ホームページの作り変えも大事ですが、まずはブランドをしっかり構築させることが重要ではないでしょうか」とのことで、なるほどと考えさせられましたね。

当時すでに、会社の経営理念や目指すべき理想などは様々ありました。ですが、どれも抽象的なイメージにとどまるもので、当社がどんな会社なのかがお客様にうまく伝わっていなかったのです。ユニィディオさんからその現状を指摘され、まずは当社のブランドを明確にすることを目指しました。

お客様にブランドを伝えることが目的でしたが、実際にブランドづくりのためのワークショップに取り組んでみると、我々自身の意識の変化も感じられましたね。これまでは日々懸命に働いているなかで、仕事のゴールの先がたまに分からなくなることがありました。それがブランドを作っていく過程で、我々の事業の価値とは何なのかが整理できたのです。

事業の価値をはっきりさせたことで、それを必要としてくれるお客様に対象を絞ってアピールでき、沢山のご縁をいただくことができました。
そもそもユニィディオに仕事を依頼しようと思われたきっかけは?
ユニィディオさんとは当社がK・I・Sグループから独立する以前からのお付き合いですが、私は山田社長を個人的に仕事の先輩と考えていました。

山田社長は我々と同じクリエイティブな世界で経営をしていて、成果を出し事業を伸ばしておられます。私は常に自分よりちょっと先を行っている人と仕事をして、その人から色々学びたいんです。ユニィディオさんに依頼させていただいたのはそのためで、よくプライベートでもお食事をご一緒させていただきましたね。結果的にユニィディオさんと同じビルにオフィスを構えることにもなりました(笑)。
当時のユニィディオの印象はいかがでしたか?
ユニィディオさんにはブランドの構築からホームページ制作、ニュースレター、名刺、会社案内まで依頼させていただきましたが、デザインのクオリティの高さは素晴らしいです。定期的に発行しているニュースレターに関しても、お客様からの反響も良く「雑誌が送られてきたと思った」というお声もいただいて、私も満足しています。

ホームページの制作の際には「何かやってくれそうな存在として企業様に認識されたい」という思いから、影がある雰囲気と緊張感をはらんだイメージを要望しました。できあがったホームページを見たときには「まさしくこれだ」と思いましたね。そしてまた「&EXPERTS」というブランドスローガンが当社の個性を的確に表現しています。このプロ集団が必ずやり遂げてくれるという、ワクワク感が伝わってきます。

正直最初は、ブランドづくりのためのブランドワークなど、本当に必要な作業なのかなと思っていました(笑)。でも何日もかけたあの工程は、自分たちの価値を見つめなおす意味でとても重要だったと今になって分かりました。その柱が無ければ、ホームページを作ってもデザインがおしゃれになるだけで、本質的には以前と何の違いも無いものになっていたでしょう。

特にユニィディオさんによって当社の強みを分かりやすく言語化してもらったなと感じたのが「事業推進力」というキーワードです。この言葉が意味するところは、お客様の事業を前に進めていくパートナーでありたいということ。この仕事は様々な関係者と共に作り上げていくものですが、当社は全員にとってのベストアンサーを見つけてご提案することには自負があります。

例えば先日、新築マンションの設計依頼をいただいた時も、お客様としてはそのマンションを民泊として利用する考えでした。しかし私は関係者全員のリスクヘッジを考えて、民泊と通常の賃貸利用、あえてどちらにも対応できる設計をご提案させていただいたのです。その提案は、結果的にお客様にとても満足していただけました。

このように当社はただお客様に依頼された仕事だけをこなすのではなく、一歩踏み込んだご提案までできることを強みにしています。そんな当社の価値をしっかり理解してもらったうえで、うまくブランディングしてくれたユニィディオさんには感謝しています。
その後、御社に何か変化はありましたか?
自分達がどこを目指して仕事しているのかが、社内で共有できたことが大きかったですね。「お客様と継続的に仕事をしていく会社」というイメージが、より明確になりました。営業活動に力を入れて新しいお客様を求めるだけではなく、現在のお客様との関係を大切にするスタイルに自信が持てたのです。

実際のところ、今では営業らしい営業はほとんど行っていません。それもブランディングによってお付き合いのある企業様の中でラフトの役割が明確になり、設計といえば当社にという流れが生まれたおかげだと思います。

さらに感じるのが採用面での効果です。ホームページにコラムを掲載して、私の想いや実際の業務の中での心がけなどを発信しているのですが、ある程度それらを理解したうえで応募してくれるのでミスマッチが大きく減りました。面接でより踏み込んだ質問をしてきてくれる求職者もいて、ホームページで当社への理解を深めてくれているんだなと実感しています。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
今後の展望は2つあって、1つは東京での事業展開です。これから本格的に営業をして東京の拠点を育てていきたいと思っています。今は周囲の方も東京進出が増えているタイミングで、そういったご縁から東京でのお仕事の依頼も少しずつ増えていますし、この勢いで東京での販路を拡大したいですね。

もう1つが、今取り組んでいる不動産投資の事業です。当社は最終的には、建物を骨組みの状態に戻してから再生させ、新たな価値を持たせるというビジネスに取り組もうと思っているのですが、そのためには自身で不動産を保有しなくてはなりません。

今はそのための足がかりとして2棟ほど所有していますが、今後はさらに不動産投資に力を入れていくつもりです。将来的には街中の商業ビルを再生させて、当社の理念である100年デザインを実現させたいと思っています。

これまでのビジネスモデルの延長線上にある東京進出、そしてまったく新しい試みとなる不動産投資。ひとまずはこの2つを当社の次の目標として見据えています。ユニィディオさんとはぜひ次のステージでもご一緒していきたいですね!

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