INTERVIEW

No.12

フクビ化学工業株式会社TAKESHI SUZUKI

永く続くブランドの価値を整理して、関わるすべての人に届ける土台ができました。

会社概要
フクビ化学工業株式会社
建材事業本部インシュレーション推進部 部長 兼 エアサイクル推進室 室長 鈴木 健
東京支店内(エアサイクル推進室) 東京都品川区大井1-23-3
TEL 03-5709-3196
昭和28年に設立され、建築資材や産業資材、精密化工製品を製造・販売されているフクビ化学工業株式会社様。インシュレーション推進部にあるエアサイクル推進室は、家族がずっと健康的にすごせる『エアサイクル工法』を地域加盟店様、登録工務店様とともに全国展開しています。
https://www.fukuvi.co.jp/
建材事業本部インシュレーション推進部 部長 兼 エアサイクル推進室 室長 鈴木さんの経歴

フクビ化学工業入社後、商品開発部門にて気密、断熱、防水、換気分野における商品開発に従事。営業企画、首都圏ビルダー営業、新需要開発部門を経て2020年より現職。

最初に御社の事業概要とエアサイクル工法について教えてください。
フクビ化学工業株式会社は昭和28年に設立された、建築資材や産業資材、精密化工製品を製造・販売している会社です。ユニィディオさんとさまざまなプロジェクトを進めているのが、主に断熱に関する事業を担うインシュレーション推進部にあるエアサイクル推進室というところになります。パッシブデザインのひとつの手法である『エアサイクル工法』は、屋根裏と基礎の部分に設置された排気口と給気口を開閉させることで、床下から壁の中を通じ屋根裏へと空気を循環させながら、夏は涼しく冬は温かい空間をつくりだすという、自然のチカラを利用して断熱と躯体換気を両立するシステムです。私たちはその工法に必要な専用部材とノウハウを、『地域加盟店』と呼んでいる全国各地の建材販売店様を通して、「エアサイクルの家」に加盟いただいている登録工務店様に提供しています。

近年ではコロナ禍の影響で在宅時間が増えたこともあり、家族がずっと健康的に過ごせることや、日々の暮らしの快適性を重視するお施主様が増えました。ただ一生に一度のマイホームですから、間取りやデザインも妥協したくないという思いが当然あります。そういった中で、エアサイクル工法は1984年から現在に至るまで30年以上、お客様や時代のニーズに合わせアップデートを続けており、あくまで断熱と躯体換気にかかわる部分のみをご提供させて頂くものなので、設計や設備については登録工務店様と納得いくまでご相談頂き、お施主様の様々なご要望を形にして頂くことが可能な工法だと自負しています。
ユニィディオとの出会いから、現在までに実施してきたプロジェクトについて。
エアサイクル工法を用いた家をより多くの方にお選びいただくために、いくつかのご提案をいただきました。実際には年に1回発行している『エアサイクル工法』ブランドの周知を目的としたポスターにはじまり、リーフレットやコンセプトブック、そしてWebサイトの制作、さらにWEB広告の運用と、紙のツールからデジタルの領域まで幅広くご協力いただいております。ブランドが持つ価値の整理から、制作物までをユニィディオさんに一貫して手がけてもらったことで、私たちが発信する情報とデザインに統一感が生まれました。

エアサイクル工法のスタートから30年以上が経ち、ありがたいことに全国にあるたくさんの工務店様に採用いただいております。ただ繰り返しになりますが、エアサイクル工法は専用部材を用いたシステムですので、それ以外の部分はお施主様や工務店様に委ねられているわけです。つまり設計の自由度が高いというメリットがある反面、家づくりを担う工務店様にエアサイクル工法が果たすべき目的を正しく伝えられないと、我々が提供したい本来の価値とかけ離れていってしまう可能性があります。そんな中でユニィディオさんと出会い、全体的な指揮をとっていただきながら、社内でブランドの価値を整理し、Webサイトの制作とその後のコンテンツの発信を行うことで、より明確な情報を届けることができるようになったと実感しています。
ツールの作成やブランドの価値の整理、Webサイトの運用などのプロジェクトを通して何か変化を感じていますか?
まず私たちと加盟店様、登録工務店様の意識が大きく変わったと思います。以前は雑誌広告やテレビコマーシャルといったマス広告でのプロモーション中心の考え方でしたが、現在ではWeb広告やその運用に力を入れられるようになっています。これはユニィディオさんと一緒にWebサイトをリニューアルして、そこからWebサイトやSNSを活用する重要性への理解が進んだ結果に違いありません。今では工務店様からも「ブランドサイトと自社サイトを連携できないか」という声も上がるようになっています。

また最近ではモデルハウスと同じような感覚で、Webサイトがお客様とのコミュニケーションの場になっています。私自身も過去に何度かWebサイトの立ち上げに携わってきた中で、やはり継続して更新していかないとほとんど効果がないことが分かりました。そういう意味で、今回ユニィディオさんと一緒につくったブランドサイトも、まだまだ始まったばかりだと思っています。今後はお施主様、工務店様、加盟店様のそれぞれに対して情報発信が必要になるはずです。そのためにもさらにコンテンツを充実させていく予定なので、引き続きユニィディオさんの力を貸していただきたいと感じています。
さまざまな施策に取り組む中で、ユニィディオに期待することは何ですか?
情報発信や広告宣伝に関することはかなり頼りにしています。というのも、実際に家に住むお施主様にとってエアサイクルは目に見えるものではありません。そのため「工法」や「システム」といった技術的な要素を、どのように表現してエンドユーザーに伝え、メリットや価値を感じてもらうのかは大きな課題です。今では一般の方でも検索をすればエアサイクル工法には容易にたどり着きます。そのときにテクニカルな情報だけでは、なかなか魅力は伝わりづらいですよね。だからこそ“技術屋”である私たちにはない観点からのアドバイスをユニィディオさんには期待しています。

そうやって地道な情報発信を積み重ねることで、お施主様が家を建てるときに「エアサイクルの家」という選択肢がうまれてくると思いますし、ニーズが高まれば加盟店様や工務店様の「エアサイクル工法を取り入れたい」という要望もより一層増えていくはずです。そういった目標に向かって、もっとも効果的な手段をユニィディオさんと議論して実施していきたいと思います。
最後に今後の展望をお聞かせください。
私たちが提供するエアサイクル工法をきっかけにして、パッシブデザインの裾野を広げていきたいと考えています。ひと言で『パッシブハウス』といっても、実現に向けたアプローチはさまざま。中には厳密な基準を設けていたり、高度なスキルを求められたりするのも事実です。エアサイクル工法も、もちろん一定のスキルや設計力は必要ですが、フクビ化学工業が30年以上かけて培ってきたノウハウとマニュアル、そしてサポートがあれば、比較的短期間で技術を習得し、お施主様に提供することができます。

私たちがもっとも大切にしているのは、家の健康とそこに住むご家族の健康の両方です。その根底にある思いを、お施主様と工務店様の双方にご理解いただける環境をつくること。その上でより多くの人にパッシブデザイン、そしてエアサイクルの家を選んでいただくこと。これからもそこに注力していきたいと思っています。ユニィディオさんと出会ったことで、ようやくその土台ができあがりました。つまりここからがスタートだと思っているので、今後もご提案やアドバイスを楽しみにしています!

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