No.05
株式会社不動マネジメントAKIO OWADA
ブランディングを通して変わったのは、私自身。そして、メンバーのモチベーションです。
- 会社概要
- 株式会社不動マネジメント
代表取締役 大和田 章夫
神奈川県藤沢市大庭5404-7 湘南エスパスB1-A
TEL 0466-90-5181 - 2010年から神奈川県内を中心に解体事業を手がける不動マネジメント様。設立当初から解体をサービス業と捉え、付加価値として現場以外のフォローを徹底。安心を求めるお客様に「選ばれる企業」であり続けるために、ブランド構築に着手しました。企業の見せ方を変えるだけでなく、そこで働く人にフォーカスして同じ価値観を持つ人材を巻き込みながら、目標に向かって成長を続けています。
- https://fudo-m.com/
- 代表取締役 大和田さんの経歴
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日本大学法学部経営法学科卒。卒業後は総合アパレル商社に入社して百貨店営業として従事。その後、解体業界に転身し、新しい解体業を実現するために平成22年、株式会社不動マネジメントを設立、代表取締役に就任。
- 御社の当時の状況と、ユニィディオとの出会いをお聞かせください。
- 不動マネジメントが9期目のときに、節目となる10期目に向けて、何か新しいことに取り組みたいなと考えていました。でも、やりたいことが多すぎで、行動には移せていなかったんです。そんな中、日々たくさん送られてくるDMの1枚に目が留まります。それがユニィディオさんのものでした。
「企業にブランドを」という言葉を見たときに、「これだ!」と思いましたね。すぐに「ユニィディオ」と検索して、WEBサイトに掲載されている他社さんの事例を見ていくうちに、「この会社はすごいセンスの持ち主だ」と感じたんです。そのままお問合せをして、1週間後には、中目黒の本社にお伺いしていたと思います。
創業から約10年の間で、会社も成長して、社員も増えていきました。ただ当時は私自身、口では「会社をブランド化するぞ」とか「価格勝負はしない」と言いつつ、何をしたらブランドになるのかが、まったく見当もつかない状態。また組織のトップとして、社員の声に耳を傾ける姿勢を持っていたつもりですが、実態はまだまだトップダウンの経営体質だったと思います。それが、ユニィディオさんと出会い、ブランド構築ワークや、その他のさまざまなプロジェクトを進めていく中で、徐々に変化していきました。
- ブランディングをスタートさせるにあたって、重要視したことはなんでしょうか?
- 私が解体業をはじめたときから大切にしている思いがあります。それは「工事業ではなく、サービス業である」ということ。これは、この業界に入った時に「とても古い体質だな」と感じたことが関係しています。依頼を受けて、ただ壊す。その繰り返しの仕事だったので、当時の営業スタイルは、「A社より、10万円安くします!」といったようなものが大半だったように思います。そこで私は「A社より、10万円高いです。その代わりに、私が責任をもって、すべてフォローします」という営業を始めてみます。つまり、解体現場の近隣トラブルを未然に防ぐ努力をしたり、面倒な法律関係の手続きを代行したり、そういった現場以外のフォローを徹底することで、解体という依頼に対して付加価値をつけるようにしました。すると、驚くほど仕事をいただくことができたんです。そのときに「壊すだけなら当たり前。お客様が求めているのは、安心なんだ」ということに気づかされましたね。「ここまでやってくれて、ありがとう」と、お客様に感動していただくことが、私にとっての喜びにもなっていたんです。
現在の不動マネジメントの根幹に流れているのも、まさにその思いです。だからこそ、そういった細かいフォローを欠かさないために、職人主体になりがちな業界でありながら、弊社では、営業、施工管理、工事、サポートスタッフと、組織化をしていきました。
とはいえ、社員が増えていくにつれて、全員が同じ思いを共有して仕事に取り組むことが難しくなっていきます。そこで、会社として大切にしている思いが、私の頭の中にあるだけではなく、きちんと伝えることができる形にしたいと考えるようになっていきました。
- ブランド構築ワークを実際に経験してみていかがでしたか?
- ワークショップというもの自体がはじめてだったので、とても楽しかったですね。ユニィディオさんに出会った約1年後に、事務所を移転することが決まっていて、そこに向けていろいろな準備を進めていったのですが、その最初の工程がブランドづくりでした。これを何よりも先にできたのは、本当に良かったと思います。
ワークショップで実感したのは、一人ではなく、社員全員を巻き込むことの大切さですね。会社が向かうべき方向を経営者だけが考えても、きっと独りよがりのものになってしまって、浸透しないと思います。
ユニィディオさんが、社員も交えて作ることを提案してくれたので、全員が「自分たちでつくったもの」という意識を持つことができました。一人ひとりの声や思いが、ミッション・ビジョン・バリュー、そしてスローガンというカタチで言葉になったので、みんなにとっても特別なものになったのではないでしょうか。
あと、会場として中目黒にあるユニィディオさんのワークショップスペースをお借りしたのもよかったですね。みんなでいつもとは違う空間に集まって、意見を出し合うというのは、ある種、イベントのような楽しさがありました。ただ、ワークのあとは、いつもとてつもなく疲れていましたけど(笑)
- ブランドスローガン【どこまでも“0”にこだわる】が完成した時の印象をお聞かせください。
- このスローガンをご提案いただいたときは、とても感動しましたね。何度も行ったワークの中で、皆さんから5〜6時間にわたって質問攻めに遭うという日がありました(笑)。そのときに、何気なく「私たちの仕事は、あるものをゼロにすること」と発したんです。そのひと言から紡ぎ出された言葉でしたね。
解体業は、完璧な仕事をすればするほど、何も残らない、きれいな更地になります。そんな私たちを表す素晴らしいスローガンです。そして、【次の「イチ」に向けた、価値ある「ゼロ」を。】というミッションも、とても的確な言葉だと思います。ただ壊すのではなく、次の1をつくるための現場を生み出すことこそが、解体の目的。社員が「何のために仕事をするのか」の答えが、この1文に詰まっています。
ユニィディオさんにご提案いただく言葉には、毎回驚かされてばかり。個人的にすごく気に入っているのが、年賀状を依頼した際に入れていただいた、【カエタイ、解体】というものです。語呂合わせなんですけど、字面の面白みがあり、一般的な解体業とは一線を画す私たちを、上手に表現いただいているなと思います。
普通、企業からくる年賀状って、ちょっと目を通すだけのものが多いと思うんですけど、このときはたくさん反響をいただいたんですよ。
- さまざまなプロジェクトを進めてきましたが、特に印象深かったことをお聞かせください。
- あらためて振り返ってみると、本当にたくさんのご相談をさせていただきました。その中でも特に、中途採用を行ったときのことは印象に残っていますね。ブランド構築ワークを経て、WEBサイトや各種ツールも無事に完成して、会社としての考え方や見せ方の部分が固まり、満を持して採用に乗り出したタイミングでした。結果的にたくさんの応募をいただいたのですが、みなさんが口を揃えて「解体業に持っていたイメージと違った」とか、「WEBサイトを見て、雰囲気がよかった」と言ってくださる。これは、私たちの目指す姿を、言葉や形にして、しっかりと発信することができた成果だと思います。
また、人事評価制度の整備においても力をお借りしました。実はユニィディオさんと出会う前から、制度をつくるために、セミナーに参加したり、関連書籍を読んだりしていたんです。でも、結果は毎回同じで「よく分からない」「実際は、実現できないだろう」という感想を抱くだけ。なかなか前進しませんでした。
そんな中、ある日「人事評価制度って……」と山田さんに相談をしてみたんです。正直、その時点では、「今回もまた……」と、不安は残っていました。でも、その後にいただいた提案を拝見して、「やってみよう」「頑張ろう」と、気持ちが切り替わったんですよ。あれは、不動マネジメントという会社を、深く理解されているからこその内容が並んだものでしたよね。それまで、何年も勉強してきましたが、きっとそれを続けていても、到底ご提案いただいたような制度にはたどり着かなかったと思います。つまり、プロの方と一緒に取り組んだからこそ「できる!」と感じたんだと思います。あれは個人的にも、会社としても、大きな一歩を踏み出せた瞬間でしたね。
- ユニィディオとのプロジェクトを通して、どんな変化がありましたか?
- ブランドの確立、そして、それに沿ったWEBサイトやデザインされたツールも完成し、会社としての方向性を社内外に示すものができたという変化はあります。
ただ、もっとも変わったことは“人”なんです。まず私自身が変わった。確かに独立してからの10年で会社は大きくなり、売上も伸びていきました。その一方で、創業時に抱いていた思いや、自分たちが目指していた理想像が、想像以上に薄れていったのも事実です。ワークショップや山田さんとの会話を通して、当時の気持ちを思い出すことができましたね。
また、社員のモチベーションも目に見えて変わりました。もともと人に恵まれているということもあると思いますが、今いる社員は、全員が同じ方向を向いて仕事に取り組んでくれています。そもそも私が掲げている目標は「100億円企業」というもの。でも、神奈川県の同業社のトップが25億円で、東京都でも50億円ほどなので、「100億円を目指す」と謳っても、人によっては「バカじゃないの」のひと言で終わってしまう。それにも関わらず、社員と会話すると、当たり前のように「100億を目指すなら、こうした方がいい」とか「100億を達成するには、このままではダメだ」という声が出てくるんですよね。
それを聞いたときに「もはや、私個人ですべてを動かしていくレベルの組織ではない」と思うようになりました。ブランドを確立するところから、次は人と組織の成長へとつなげていかないといけない。なぜなら、100億円企業になるためには、社員数を今の3〜4倍に増やさないといけません。でも、むやみに増員したところで、そのすべてを正しく育成できるほど、成熟した組織ではないという問題もある。その解決のため、いま在籍している社員に対して、将来的に人を管理する側に回ってもらうための教育プログラムもスタートさせました。
- 最後に、これまでを振り返っての感想と、今後の展望をお聞かせください。
- ユニィディオさんとはじめて出会ったときから、途切れることなく、ずっとお仕事をできているのが嬉しいんです。私は、何か買い物をするときは、まずアマゾンで調べます。それと同じ感覚で、何か仕事で困ったことがあったら、まずユニィディオさんに相談するようになりました。だからユニィディオさんとのお仕事が落ち着いてしまったら、きっと「ユニィディオ・ロス」になるんじゃないですかね(笑)。私が先頭に立って会社を動かしていくのが、あと10年だとしたら、その間は常にユニィディオさんにも伴走していただきたいと思っています!
今後の展望としては、やはり「100億円企業」という大きな目標に向かって、着実に進んでいくこと。そのためには、まず人づくり、そして組織づくりに取り組んでいかないといけません。すでに、ご相談させていただいていますが、次はマニュアルの作成が待っています。きっと数年がかりのプロジェクトになると思いますが、ユニィディオというプロの方々の知識と経験に期待していますよ!