2026.10.20/Tue
工務店・不動産会社の集客に役立つコラムとは?|AI検索時代に理解したいSEOとブランディングの関係
目次
WEBサイトへの集客を目的に、SEO対策としてコラムや記事を継続的に発信している工務店・不動産会社も多いのではないでしょうか。
ただ近年は、AI検索の広がりによって、検索結果から記事がクリックされにくくなっています。米国と日本の調査でも、AIによる要約や概要が表示されると、記事がクリックされる割合が大きく下がることが示されています(※1・※2)。検索順位を維持するだけでは、従来と同じようにWEBサイトへの流入を確保できない可能性があるのです。実際に、流入が減っている状態にある企業も、少なくないはずです。

※1 出典:Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(2025年7月)
※2 出典:Ahrefs「AI 概要で検索 1 位の CTR が半年で -62.7 % に激減」(2026年7月)
流入が減ると、「コラムを書き続ける意味はあるのか」と感じることもあるかもしれません。
本来、集客のための情報発信は、記事を読んで自社を理解してくれるお客様を増やすためのものです。
ところが、いつの間にか記事の本数や検索順位といった施策そのものが目的になっていると、流入が減ったことだけで、コラムの価値まで見失ってしまいかねません。
だからこそ今、あらためて考えたいのが、「AI検索の時代に、集客に役立つコラムとは?」という問いです。です。
その手がかりとなるのが、SEOとブランディングの2つの視点です。
Googleが推奨する「ユーザー第一」のコンテンツづくりと、UNIIDEOが大切にしているブランディングの考え方を重ねると、コラムが集客に役立つ理由と、記事を見直すための具体的なポイントが見えてきます。今回は、この2つの視点から解説します。
- AI検索でクリックが減っても——SEOの基本は変わらない
- SEOの考え方——人の役に立つ情報の品質を整え、必要な人に見つけてもらう
- ブランディングの考え方——コラムは「どんな会社か」を伝える接点
- 集客への答え——品質と自社らしさを重ねSEOで届けることで、自社を理解してくれるお客様と出会う
SEOの視点で見る|Googleが推奨する「ユーザー第一」のコラムとは?
この記事では、Googleの考え方を紹介するときは「コンテンツ」、工務店・不動産会社が自社のWEBサイトで発信する記事を指すときは「コラム」と呼び分けます。Googleがいう「コンテンツ」は、ウェブページに掲載される文章や画像などの情報全般を指し、コラムもその一つとしています。
ではまず、Googleがコンテンツに対してどのような考え方を示しているかを確認しておきましょう。
Googleは、検索順位を操作することを主な目的とするのではなく、人の役に立ち、信頼できるコンテンツをつくることを推奨しています。工務店・不動産会社のコラムでいえば、お客様が知りたいことや、家づくり・住まい選びで抱えている疑問に向き合い、判断に役立つ情報を届けることです。 こうしたコンテンツをつくるための考え方をまとめたのが、Googleの公式ガイド「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」です。
このガイドでは、コンテンツを自己評価するための質問や、コンテンツの品質を考えるための視点が紹介されています。ここでは、その中からコラムを見直すうえで役立つ2つを取り上げます。1つは記事の中身を確認する「コンテンツの品質を考える4つの視点」、もう1つは記事のつくり方を確認する「誰が・どのように・なぜ」という3つの観点です。
コンテンツの品質を考える4つの視点
1つ目は、「コンテンツの品質を考える4つの視点」です。
Googleのガイドでは、ページの品質を判断するうえで、記事の本文などの「コンテンツの品質」を特に重要な要素と位置づけています。コンテンツの品質を考える基本的な要素として挙げられているのが、次の4つです。
ここでは、Googleが示す考え方をもとに、工務店・不動産会社が自社の記事で確認したいポイントを整理しました。
| 視点 | 考え方 | 記事で確認したいポイント |
|---|---|---|
| 労力(Effort) | 人の工夫や検討がどれだけ費やされているか | ・自社の経験を整理し、独自の分析や考察を加えているか ・AIなどで作成した文章を、人が確認・編集しているか ・出典を示すだけでなく、自社の見解を加えているか ・文字数を増やすことが目的になっていないか |
| 独自性(Originality) | ほかのWEBサイトでは得られない情報や視点があるか | ・一般的な知識に、自社が家づくりで重視していることを加えているか ・施工事例で、プランニングの工夫やお施主様の要望への応え方を伝えているか |
| 才能やスキル(Talent or Skill) | 読者にとって分かりやすく、目的を果たせる内容か | ・専門用語に説明を添えているか ・住宅や不動産の知識が十分でない人にも伝わる表現になっているか |
| 正確性(Accuracy) | 情報が事実に即して正確か | ・制度や法令、数値データを公的資料などで確認したか ・情報が古くなっていないか ・住宅ローンや税制などのテーマで、専門家の間で確立された見解と一致しているか |
表の中でも、工務店・不動産会社のコラムで特に意識したいのが「労力」と「正確性」です。
「労力」:手間をかけた分だけ、自社にしか書けない記事になる
労力とは、記事に人の工夫や検討がどれだけ費やされているかです。自社の施工事例を振り返る、お客様からよく受ける質問を整理する、現場の担当者に話を聞く。こうした手間をかけることで、一般的な情報のまとめではない、その会社にしか書けない記事になります。
「正確性」:住まいやお金の情報は、お客様の判断を左右する
住宅ローンや税制、法令、建築方法などの情報は、お客様の大きな判断に関わります。Googleは、人々の健康や経済的な安定、安全などに大きな影響を与える可能性があるテーマを「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼び、特に高い正確性を求めています。公的資料などで事実を確認し、専門家の間で確立された見解と一致しているかを確かめることが重要です。
YMYLの詳細説明の参照:「【工務店・不動産】SEO・MEO・SNS連携でAI検索時代の集客を強化する方法」
この2つは、実はAIの使い方とも深く関わります。
Googleは2026年10月にガイダンスを更新し、ほとんど労力をかけず、独自性や付加価値もほとんどないまま作られたコンテンツを、問題のあるコンテンツの例として挙げています。また、AIの活用そのものが否定されているわけではなく、Googleも、生成AIはテーマを調べる際などに役立つとしています。しかし、AIが出す情報は、必ずしも正確とは限りません。
出典:Google検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」(2026年10月更新)
AIで記事を量産しても、正確性が伴わず、内容が読者の役に立っていなければ、コンテンツの品質は高まりません。
問われるのは、読者が知りたいことにきちんと応えているか、そしてその答えに、自社の経験や、人が情報を調べて確かめるといった労力を反映できているかです。
コラムを書くときや公開する前には、この表の視点を参考に、内容を見直してみてください。
「誰が・どのように・なぜ」を確認する
2つ目は、「コンテンツのつくり方を確認する3つの観点」です。
Googleのガイドでは、コンテンツを作成する際に「誰が(Who)」「どのように(How)」「なぜ(Why)」という3つの観点から見直すことも推奨しています。
それぞれの考え方と、自社の発信内容やコラムで確認したいポイントを整理しました。
| 観点 | 考え方 | 記事で確認したいポイント |
|---|---|---|
| 誰が(Who) | 作成者が誰なのか、読者に分かるか | ・執筆者の名前やプロフィール、専門分野、実務経験を示しているか ・資金計画など判断に関わる記事で、発信者の立場や経験が分かるか ・記事の内容と、作成者の経験や専門性が一致しているか |
| どのように(How) | どのような過程で作成されたのかが分かるか | ・比較や評価をする記事で、比較の方法や評価の基準、判断の根拠を示しているか ・AIを活用した場合、読者が知る必要があるときに、活用の方法や人の関わり方を説明しているか |
| なぜ(Why) | 人の役に立つことを主な目的にしているか | ・「この記事は誰の、どのような疑問を解決するのか」が明確か ・読者にどのような判断材料を提供できるか ・検索順位や検索流入を増やすことが主な目的になっていないか |
3つの観点の中でも、Googleが特に重要としているのが「なぜ」です。コンテンツをつくる目的が人の役に立つことにあれば、Googleの検索システムが評価しようとしている方向と一致します。反対に、検索エンジンからの訪問を集めることが主な目的であれば、その方向とは一致しないと説明されています。
つまり、記事を書き始める前に「この記事は、誰のどんな疑問に答えるのか」を決めておくことが、品質を考える出発点になります。
工務店・不動産会社であれば、営業の現場でお客様からよく聞かれる質問や、打ち合わせで迷われやすい点を起点にすると、目的のぶれない記事になります。
では、目的を「人の役に立つこと」に置くなら、これまでのSEO対策は必要なくなるのでしょうか。
品質を重視するなら、従来のSEO対策はどうなるのか?
これまでSEO対策というと、検索順位を上げるための施策として捉えられることが多かったのではないでしょうか。
ただ、Googleは「SEOスターターガイド」の中で、SEOを、検索エンジンにコンテンツの内容を理解してもらい、ユーザーが検索結果からそのサイトを見つけて、訪れるかどうかを判断できるようにするものと説明しています。
出典:Google検索セントラル「SEO スターター ガイド」
つまり、検索エンジンがコンテンツを理解しやすいようにWEBサイトを整えることや、検索する人の疑問に答える形で記事を構成することこそが、SEOの基本です。
検索順位は、その結果として変わるものです。順位そのものを目的にすると、何を発信すべきかの判断基準が検索結果に偏り、自社ならではの価値を伝えにくくなってしまいます。
まず情報の品質を整え、そのうえでSEO対策によって必要な人に届ける。この順番は、AI検索の時代になっても変わらない基本です。Googleも、AIによる概要などのAI機能に表示されるために特別な対策は必要なく、これまでのSEOの基本がそのまま当てはまると説明しています。
出典:Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
SEOを、まだ出会っていないお客様に自社の価値を届ける仕組みとして捉える考え方については、「工務店・不動産会社が参考にすべきホームページとは?|集客できるサイトに必要な3つの仕組み」で詳しく解説しています。
ブランディングの視点で見る|コラムは「どんな会社か」を伝える接点
次に、ブランディングの視点から考えてみます。
コラムは、検索で見つけてもらうための入口であると同時に、読んだお客様に「どんな会社なのか」を伝える接点でもあります。
ブランディングの視点で見ると、ユーザー第一のコンテンツづくりは、お客様の役に立つだけでなく、自社だからこそ伝えられることを届ける機会になります。
Googleが品質の視点として挙げる「独自性」や、「誰が作成したのか」という観点は、ブランディングで大切にしている考え方とも重なります。
UNIIDEOでは、ブランディングを次のように捉えています。
……「ブランドを人々の頭の中につくっていく」こと。つまり「モノに独自の価値を付け、それをカタチにし、そして伝える」という一連の活動を「ブランディング」と呼ぶのです。
(中略)
「認知されること」以上に、「どのように評価してもらいたいのか」、つまり「どんな企業だと想われたいのか」を定義づけ、顧客との多くの接触ポイントで一貫した価値提供をしていく。
出典:ブランディングは戦略+デザイン+プロモーションの3つを行うこと|工務店・不動産会社のためのブランド知識②
自社の経験や家づくりに対する考え方は、ほかの会社には書けない情報です。コラム記事でそれを伝えることは、自社ならではの価値を伝える活動の一つであり、お客様との接点の中で「どんな会社だと想われたいのか」を一貫して伝えることにもつながります。
UNIIDEO代表の山田は、noteのコラムで、ブランドとしての力が生まれる条件として、理念と事業と商品の一貫性を挙げています。

理念、事業、商品
そして、サービス、社員の行動、お客様との接点、採用、発信
これらがすべて同じ方向を向いている時、「ブランド」としての力が生まれます。
出典:「何をやるか」に振り回されない——住宅会社・工務店こそ「あり方」から経営理念とMVVをつくる|UNIIDEO 山田
「発信」も同じ方向を向くべきものとして挙げられていることが、ブランディングを考えるうえで大切なポイントです。
コラム記事も、会社の理念や事業、家づくりに対する考え方とつながっていてこそ、自社ならではの価値として伝わります。
検索キーワードに合わせて書いた記事が会社の考え方とつながっていなければ、記事を増やしても「どんな会社なのか」は伝わりにくくなります。
家づくりを検討しているお客様が知りたいのは、住宅の性能や価格だけではありません。
自分たちの暮らしに合った家づくりができるのか、どのような考え方で家づくりに向き合っている会社なのか、といったことも判断材料になります。
こうした疑問に対して、自社の経験や専門知識、家づくりに対する考え方を交えて情報を届けることは、お客様の役に立つだけでなく、その会社ならではの価値を伝えることにもつながります。
お客様の役に立つ情報を届けること。そのうえで、自社だからこそ伝えられることを発信すること。この2つを切り離さずに考えることが、ブランディングの視点を取り入れた情報発信の基本です。

まとめ|役に立つ情報と自社らしさをSEOで届けるコラムは、お客様にも集客にも役立つ
この記事では、SEOとブランディングの2つの視点から、AI検索の時代に集客に役立つコラムについて見てきました。
コラムに問われるのは、記事の本数や検索順位ではなく、読んだお客様の役に立ち、自社を理解してもらえるかどうかです。品質とブランディングを徹底していくこと。それが、AI検索の時代に集客に役立つコラムです。
品質の考え方と、ブランディングとの関係性を理解することで、情報発信の仕方も変わってくるはずです。
そのヒントとして、「何を書くべきか」から考え直したい場合は、「工務店・注文住宅会社のコラムテーマはどう決める?」も参考にしてください。テーマの選び方や、施工事例・地域情報・営業現場の質問を記事に活かす方法を解説しています。
Googleは、AIによる概要などのAI機能にも、これまでのSEOの基本がそのまま当てはまると説明しています。そのため、品質や独自性を備えたコラムは、AIの要約の中で情報元として示される可能性を高める土台になると考えられます。
検索した人の疑問に答え、解決策を提案できているコラムであれば、なおさらです。また、Googleは、AIによる概要が表示される検索結果からのクリックは、ユーザーがサイトに長く滞在する傾向があり、より質が高いとも説明しています。
出典:Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
役に立つ情報と自社らしさを備えたコラムをSEOで届けることは、疑問を解決したいお客様にとっても、自社の集客にも役立ちます。記事を書くたびに、この2つの視点が備わっているかを確かめる。それを、日々のコラムづくりの基準にしていきましょう。
AI検索時代のコラムと集客のギモンに答えます
Q1. AIを使ってコラムを作成してもよいのでしょうか?
A1. AIの活用そのものが否定されているわけではありません。問題とされているのは、読者にとっての価値を加えないまま、大量のページを生成することです。AIを使う場合も、人が内容を確認・編集し、自社の経験や考え方を加えることが大切です。詳しくは、本文の「コンテンツの品質を考える4つの視点」で解説しています。
Q2. AIによる概要に表示されるために、特別な対策は必要ですか?
A2. Googleは、AIによる概要などのAI機能に表示されるために、特別な対策や追加の要件は必要ないと説明しています。これまでのSEOの基本がそのまま当てはまるため、まずは人の役に立つコンテンツをつくり、検索エンジンが内容を理解しやすいようにWEBサイトを整えることが基本になります。
Q3. コラムの文字数は多いほうがよいのでしょうか?
A3. Googleは、検索順位のために推奨している文字数はないと明言しています。文字数を増やすこと自体を目的にするのではなく、読者の疑問に必要な情報を過不足なく届けられているかを基準に考えましょう。
コラムを発信していても、自社の考え方が伝わらなければ、比較検討の場面で思い出してもらうことは難しくなります。集客において「ブランディング」をどう機能させるべきか。「自社らしさが伝わる情報発信」に興味がある方は、ぜひUNIIDEOのセミナーにご参加ください。
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