2025.12.09/Tue 最終更新日:2025.12.10/Wed
時代遅れのWEBサイト+SEO対策になってない?小さな工務店・不動産会社がすぐに出来るチェックリスト!

目次
不動産・工務店業界で集客に成功している企業のWebサイトには、共通した特徴があります。それは、ただ見た目がきれいなだけでなく、Googleが求める最新の基準をクリアし、ユーザーにとって価値ある情報を提供している点です。
しかし、最近の不動産・工務店業界のWebサイトは、『見た目重視』になりがちで、『集客』に至っていない、課題の多いものがとても多いのです。
ここでは、経営者や広告担当者の皆様に向けて、まずは現状を知るためのチェックリスト、そして集客効果を出すための改善ポイントを「テクニカル(技術)」と「コンテンツ(中身)」に分けて解説していきます。
時代遅れのWebサイトになっていない?自社で出来るチェックリスト
今からご紹介するチェックリストは、御社のWebサイトがGoogleの最新の基準や、ユーザーのニーズに合っているかどうかを簡単に診断するためのものです。一つでも当てはまる項目があれば、改善の余地があります。
デザインとユーザー体験(UX)
チェックポイント!
▶ 横幅が狭い、古いレイアウトになっている 昔のPC画面に合わせた3カラム(左メニュー・中央本文・右バナー)構成は、スマホで見づらく古い印象を与えます。現在は1〜2カラムが主流です。
▶ スマホで見る時、文字が小さくて読みづらい PC版がそのまま縮小表示されていませんか?「レスポンシブデザイン」への対応は必須です。
▶ 画像がぼやけていたり、解像度が低い 高解像度のスマホ画面で粗い写真は、信頼性を損ないます。
▶ フッターのコピーライト(©)の年号が古いまま 「Copyright © 2018」のように止まっていると、「営業していないのでは?」と不安を与えます。
▶ お問い合わせフォームの項目が多すぎる 「ふりがな」「住所(番地必須)」「FAX」など項目過多は離脱の原因です。必要最低限に絞りましょう。
Googleが評価する技術的要素(テクニカルSEO)
チェックポイント!
▶ URLが「http」から始まっている セキュリティ対策(SSL化)されていないサイト http は、ブラウザで「保護されていない」と警告が出ます。セキュリティ対策が取れていないサイトは、Googleのサイト評価に値しません。早急に対策を行いましょう。
▶ サイトの表示が遅い 表示速度はGoogleの重要な評価基準です。PageSpeed Insightsで確認しましょう。
▶ 「モバイルファーストインデックス」に対応しているか分からない Googleは現在、PC版ではなく「スマホ版」のサイトを見て順位を決めています。
▶ アクセス解析ツールが入っていない 「Googleアナリティクス4(GA4)」や「サーチコンソール」で計測できていなければ、改善の手立てがありません。
コンテンツと情報
チェックポイント!
▶ ページタイトルや見出しに「地域名」が入っていない 地域密着ビジネスにおいて、「〇〇市の注文住宅」のように商圏エリア名や地名を含めることは、ローカル検索における露出確度を高めるために非常に重要です。Google検索は、ユーザーが入力したキーワードだけでなく、検索が行われている場所(現在地)や、ビジネスが登録している商圏エリア情報を総合的に判断して検索結果を表示します。
▶ ブログが何年も更新されていない 更新停止は、会社自体の活動停止を疑われます。
▶ 施工事例が写真だけで、情報が乏しい施工事例が写真だけで情報が乏しい場合、多くのユーザーの検索ニーズを満たさない可能性が高いです。ユーザーは、単に「きれいな写真」を見たいだけでなく、具体的な「情報」を一緒に求めています。
▶ お客様の声が全くない 信頼性の証明である「口コミ」がないのは致命的です。口コミやお客様がSNSなどで発信してくれた貴社との「家選び」の発信内容は、ユーザーのエンゲージメントとコミュニティによって作成された独自で新鮮なコンテンツである、ユーザー生成コンテンツ(UGC)に該当します。SEOにおいて非常に高く評価される重要な要素で、Googleは好む傾向にあります。
▶ 会社概要やアクセス情報が分かりにくい Googleビジネスプロフィールと連携し、正確な情報を載せましょう。各種MAP情報と整合が取れていないことは、情報の信頼性を獲得できず、サイト評価の低下にも繋がりかねません。
チェックリストの結果はいかがでしたか?「いくつか当てはまってしまった…」という方も、焦る必要はありません。
ここから一つずつ改善していけば、Webサイトは確実に生まれ変わります。
改善を進める上で、多くの経営者様が陥りやすい「落とし穴」があります。
「SEO対策」というと、ブログや施工事例などの『コンテンツを投稿すること』ばかりに目が行きがちです。
しかし、実はそれだけでは不十分です。
家づくりに例えるなら、コンテンツは「内装や家具」のようなもの。
どれだけ素敵な家具(コンテンツ)を用意しても、家の「基礎や構造(内部構造)」がグラグラでは、安心して住むこと(上位表示)はできません。
Googleに正しく評価されるためには、まずWebサイトの「土台」となる内部構造をしっかり構築する必要があります。
残念ながら、この「土台作り」を見落としたまま運用し、成果が出ずに悩んでいる工務店・不動産会社様が、現状とても多いのです。
ここからは、チェックリストで見つかった課題を改善したうえで、さらに現在求められている必須のSEO要件について解説します。
Webサイトも「基礎工事」が命!Googleに評価されるSEOに強いWEBサイト構造
まずは、Webサイトの「土台」となる技術的な部分(テクニカルSEO)です。
SEOに強いWebサイトの構造と設計
Webサイトの「構造」は、家づくりで言うところの「設計図」や「間取り」にあたります。どんなにこだわった素材(コンテンツ)を使っても、生活動線が悪かったり、部屋の配置が複雑だったりすれば、住み心地(使い勝手)は悪くなってしまいます。Webサイトも同様です。検索エンジンは、「人間にとって使いやすく整理されたサイトは、価値が高い」と判断します。 検索エンジンがスムーズに巡回でき、訪問したお客様も迷わず快適に使える、「SEOに強いサイト設計」の特に重要な3つのポイントです。
▶ Webサイトの内部構造:Googleのクローラー(ホームページを巡回するロボット)がスムーズに情報を読み取れるように設計することが重要です。家を建てる際に「動線」や「間取り」を考えるのと同じで、Webサイトも情報の整理整頓が重要です。トップページを頂点として、「新築」「リフォーム」「ブログ」といったカテゴリーが整理され、ピラミッドのような階層構造になっているのが理想です。 構造が整理されていると、Googleのロボット(クローラー)がサイトの隅々まで迷わずに巡回でき、新しい記事や施工事例を素早く検索結果に反映させることができます。逆に、構造が複雑だと、せっかく良いコンテンツを作ってもGoogleに見つけてもらえない可能性があります。
▶ ユーザーフレンドリーなナビゲーション :ユーザーが目的のページに2〜3クリックでたどり着けるメニュー構造にします。「ユーザーが迷わない」ことは、Googleからの高評価に直結します。具体的には、どのページにいても現在地がわかる「パンくずリスト(TOP > 施工事例 > 〇〇邸)」の設置や、スマホでも押しやすいメニューボタンの配置が必須です。 「見たい情報になかなかたどり着けない」とユーザーが感じてすぐにサイトから離脱してしまうと、Googleは「このサイトは価値が低い」と判断してしまいます。どんな情報もトップページから2〜3クリック以内で到達できるように設計しましょう。
▶ 内部リンクの最適化: 関連性の高いページ同士(例:「施工事例」と「その家のブログ記事」)をリンクでつなぐことで、クローラーが巡回しやすくなります。内部リンクとは、サイト内のページ同士をつなぐ「道」のことです。例えば、ブログで「キッチンのリフォーム事例」を紹介したら、文末に「この事例の施工費用・詳細はこちら」といったリンクを設置します。 これにより、ユーザーは興味のある情報を次々と閲覧(回遊)してくれるため、滞在時間が延び、お問い合わせの確率が高まります。また、Googleのクローラーもこのリンク(道)を辿ってサイト内を移動するため、サイト全体の評価を底上げする効果があります。
モバイルファーストと表示速度
現在、多くのユーザーがスマートフォンで閲覧するため、PCだけでなくスマホで快適に閲覧できるデザイン(レスポンシブデザイン)は必須です。
また、Webサイトの表示速度は、Googleのランキング要因の一つである「Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)」に影響します。
以下の項目にも対応することが、SEOでは必要です。
▶ LCP (Largest Contentful Paint): メインコンテンツが表示されるまでの速度のことです。
▶ INP (Interaction to Next Paint): ユーザーの操作に対する応答速度のことです。
▶ CLS (Cumulative Layout Shift): ページ読み込み時のレイアウトのズレも確認が必要です。
画像の最適化(軽量化と設定)
不動産や工務店のサイトは写真が多くなりがちですが、これが表示速度低下の主な原因です。
▶ ファイルサイズの軽量化: 画質を保ちつつファイルを圧縮し、表示速度を上げます。
▶ 代替テキスト(alt属性)の設定: 画像の内容をテキストで説明することで、クローラーが画像を認識しやすくなります。
SEOも顧客も「役に立つ情報かどうか?」で選んでいる!
土台ができたら、次はユーザー(顧客)に向けた「情報」の磨き上げです。
自社の強みや主張だけを発信していていたり、デザイン力だけをアピールしていても、顧客にとっては有益な情報になるわけではありません。
検索エンジンも、「顧客に役に立つ情報」を求めており、その情報を見つけやすく発信しているサイトを評価します。
そのために、厳しい評価基準も設けています。
検索エンジンからも、顧客からも選ばれるためには、以下の内容を網羅したコンテンツ発信が、現状では非常に重要です。
顧客の「知りたい」に徹底的に応える
Webサイトを訪れるユーザーは、「どんな会社か」「費用はいくらか」「希望は叶うか」といった具体的な悩みを持っています。漠然とした情報ではなく、これらにズバリ答えるコンテンツが必要です。その上で、「情報の質」を担保するために、厳しい基準を設けています。特にGoogleは、以下の4要素「E-E-A-T」を満たすコンテンツを高く評価します。
▶ Experience(経験):実際に家づくりを経験した人の声や、実体験。
▶ Expertise(専門性): 建築の専門知識、独自の工法。
▶ Authoritativeness(権威性): 受賞歴、メディア掲載、有資格者の監修。
▶ Trustworthiness(信頼性): 明確な会社情報、豊富な施工事例、口コミ。
このような基準を満たした、「ズバリ答えるコンテンツ」として、「FAQコンテンツ」はわかりやすく非常に有益となります。
また、「ユーザーの質問に対し、構造化データを用いて明確に答え、専門的で信頼できる情報を提供するコンテンツ」はAIが好むFAQコンテンツとして非常に注目されています。
制作すべきコンテンツの種類
▶ 施工事例(ストーリー形式) ただの施工事例紹介ではなく、「どんな家族が、どんな悩みを持っていて、どう解決したか」という物語に加え、担当者のコメントや費用も記載するものが良いでしょう。施工事例は他社とはバッティングしない、唯一無二の「自社オリジナルコンテンツ」です。自社らしさが一番表せます。自社ブランディング的確に出来ているほど、自社のカラーは明確に発信されます。コンテンツが積み重なることにより、集客したい層も明確になり、集客層のミスマッチの低下も期待出来ます。
▶ 家づくりノウハウのブログ 「住宅ローン選び」「土地探しのコツ」など、ユーザーの疑問に答える記事は、自然検索からの流入(潜在顧客)を増やします。内容に自社の商圏エリア情報をかけ合わせたり、実際に自社で受け付けた事例が伴うと、コンテンツの解像度が上がり、「どんな検索ニーズに向けての発信か?」がわかりやすくなります。サーチコンソールなどで、自社サイトの閲覧に着地しているクエリを分析しましょう。その検索クエリが持ち合わせている課題を解決できるようなタイトルや内容にすることで、まだ自社のことを知らない顧客とも出会うことが出来ます。
まとめ
Webサイトは「育てていくもの」
今回のチェックリストで当てはまる項目が多いほど、集客機会を逃している可能性があります。
Webサイトは一度作って終わりではありません。「テクニカル領域」で土台を整え、「コンテンツ領域」でブログや施工事例を積み重ねることで、Googleからの評価を高め、ユーザーとの信頼関係を築くことができます。
WEBの世界は、すさまじいスピードで開発や改良が進んでいるため、また1年後、2年後にはもっと良いものになっていることでしょう。
その時にも乗り遅れないためにも、今からしっかりとWEBサイトを育てていく必要があるのです。
Webサイトは会社の顔であり、最も重要な営業ツールです。最新のWebマーケティングトレンドに合わせたリニューアルを検討し、新しい集客の扉を開きましょう。
30秒でワカル!「WEBサイト」「SEO」の質問ギモンに答えます!
Q1. すぐに大規模なリニューアルが難しい場合、まず何から改善すべきですか?
A1. 即効性が高いのは、①表示速度の改善: 特にスマホでの画像の軽量化と不要なプログラムの削除、② E-E-A-T強化: 最新の施工事例に「お客様の声」「担当者コメント」「費用」のような信頼性と経験の要素を補強することがおすすめです。
Q2. コンテンツの内容が他社と被っても大丈夫ですか
A2. 問題ありません。「住宅ローン」などの一般的な疑問には貴社独自の文面で答えるべきです。差別化するために、「地域性(〇〇市ならではの情報)」や「自社の経験(実際の失敗談や成功例)」を加え、独自の視点を持たせましょう。
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