2021.09.06/Mon

工務店集客のための10のステップ(前編)

工務店集客のための10のステップ(前編)

工務店ブランディングの専門家であるUNIIDEO(ユニィディオ)が、

工務店が高い集客効果をあげるためのポイントを10のステップに分けてご案内いたします。

今回のコラムはその前編になります。

 

私たちは2008年の設立以来、住宅・不動産企業を専門としたブランディング会社として、

数多くの実績を重ねてまいりました。その実績は3000プロジェクト以上になります。

そこで培ったノウハウ、成功事例をご紹介させていただくことで、

コロナ禍で先が見えにくい環境下でも力強く成長していく工務店の力になりたいと考えております。

 

目次

①工務店集客の第一歩【強みを見つけること】

②工務店の強みを受け取る人は誰?【ペルソナの設定】

③集客の決め手は想いへの共感【コンセプトを定める】

④工務店の集客拠点【ホームページの制作】

⑤工務店集客はニーズがある人から順番に【リスティング広告】

⑥潜在層へリーチして集客する【SNS運用・SNS広告】

⑦工務店の認知度を高めて集客する【オフライン広告】

⑧工務店の集客効果は数字で見る【アクセス解析】

⑨改善することで集客効率アップ【ホームページの改修・運用】

⑩顧客の育成と契約率の向上【MA(マーケティングオートメーション)】

 

本コラムでは上記の①〜④を掲載しております。

①工務店集客の第一歩【強みを見つけること】

 

工務店の皆様、集客は何のために行うのでしょうか。

こんな質問をさせていただくと「そんなの当たり前じゃないか、1棟でも多くの契約をいただき売上を上げるため」という声が聞こえてきそうです。

 

ただ、本当にその本質に執着し取組みはできていますか?

 

世の中は集客効果が高まりそうなサービスやツールで溢れています。チラシの効果も下がってきて(チラシの効果が高いエリアもあります)、これからはデジタル集客にシフトしたいという声も頻繁に聞くようになりました。リスティング広告やディスプレイ広告を実施したり、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入したりする企業も増えてきました。SNSの効果も高まっていますので、インスタグラムの運用を頑張っている広告担当の方も多いかと思います。その1つひとつの取組みは、集客効果を高めるための重要な打ち手であり、ある一定の効果を出されている工務店の方もいらっしゃると思います。

 

ただ、ふとした瞬間に今のやり方で本当にいいのかな、といった不安を感じることはありませんか?日常的に行っている様々な集客施策は、本当に正しいものなのか?もっとより良くできる方法があるのではないかと。実は、工務店集客には取り組む順番があります。正しい順番で集客が行われていないことから、課題を感じたときに立ち戻る場所がなく迷いが生じます。では工務店が集客するために、まず始めに行うことは何でしょうか。

 

それは「何を」の設定です。

 

「何を」と「どのように」とを2つセットで考えると分かりやすいかもしれません。「何を」とは、自分たちの存在意義や社会的使命、つまり経営理念からはじまって、お客様に提供している価値までを定義した自分たちが極める領域のことを言います。

 

強み、と一言で言うこともできます。

 

一方で「どのように」はその強みを顧客に伝え、共感を作り出すためのいくつもの打ち手のことを言います。つまりリスティング広告やSNS運用など、工務店の皆様が集客のために行っている施策のすべては「どのように」を実践しているということをまずは知っておく必要があります。そして同時に「何を」が決まっていない状態で、「どのように」から着手している間違った取組みが現場で起きているという事実があります。

 

もう一度、工務店が集客する目的は何ですか?

 

という本質的な問いに立ち戻ると、それは契約を獲得し売上を上げることにあります。ご契約をいただけるということは、自分たちが提供している価値や強みに共感し、この工務店で家を建てようという決断をしていただけたということです。

 

言い換えれば、強み(何を)への共感がなければ契約にはつながらず、それが曖昧では集客をしたとしても契約の獲得という目的を達成することはできません。

 

つまり工務店集客の第一歩は「強みを見るけること」だと言えます。

②工務店の強みを受け取る人は誰?【ペルソナの設定】

 

自社の提供価値や強みが定義できたら、次はそれを受け取る対象としてペルソナを設定します。ペルソナとは、自分たちが提供する価値や強みを、最も評価してくれる対象のこと言います。年齢、性別、家族構成などの属性に加え、インテリアの好みや、服や車のこだわりといった価値観、さらには真面目さ、やさしさ、せっかちなどの性格まで、ひとりの人物として描いていきます。

 

ではなぜ、そこまで細かく設定するのかと言うと、

自社の強みは、受け取る人によって「価値が変動」するからです。

 

例えば、A工務店がつくる家はとことん健康住宅を追求し、完全無添加の住まいを自社の強みにしていたとします。化学物質にアレルギーを持つご家族にとっては、この家はとても価値あるものになります。価格が高くても、健康のためにその住まいを選択するかもしれません。

 

一方でB工務店は、コンパクトで低価格の住まいをパターン化された規格住宅として提供していたとします。住宅ローンの支払いだけで毎月の生活がギリギリになるよりは、十分の広さとかっこ良さがあれば、コスパを選択する人もいます。

 

このA工務店とB工務店の住まいは、どちらが優れていると言うことではなく、工務店が持っている特色であり、強みであり、提供価値です。ただ、それを評価してくれる対象は明らかに別の人物となります。極端な例で示してはいますが、健康住宅のA工務店がコスパを重視するお客様に営業をした場合、A工務店が持つ本質的な強みはまったく評価されず、値引き交渉をされるかもしれません。また、規格住宅のB工務店のコンパクトでコスパに優れた家は、化学物質に敏感に反応する体質を持つ人には売ってはいけないものになりそうです。

 

このように工務店が提供している商品やサービスが持つ強みは、受け取る人によって価値あるものになったり、ならなかったりするのです。それであれば、価値を最も評価いただける人に選んで頂いた方が、工務店にとってもお客様にとってもより良いことだと言えます。

 

だからこそ、評価いただける人物を明確に描くのです。

 

自社の強みを最も評価いただけるであろう対象者をペルソナとして描き、そのペルソナに対してすべてのコミュニケーションを設計していきます。ホームページのデザインも、掲載されている文章も、商談時のトークも、そのペルソナに響く取組みを行っていくのです。ペルソナが変われば、デザインも使う言葉も変わります。このペルソナだったら、こんな商品を求めているのではないかと、商品開発にまで発展していきます。

 

ペルソナ設定はすべての事業活動につながる「共通言語」となっていくのです。

③集客の決め手は想いへの共感【コンセプトを定める】

 

自社の強みと、ペルソナの設定ができたら、次はコンセプトを定めます。コンセプトとは、自分たちのことを一言で表す「一貫した考え」のことです。

 

例えば、BESSさんであれば【「住む」より「楽しむ」】、

トーヨーキッチンスタイルさんであれば【「住む」をエンターテインメント】、

と定められています。

 

このような定義は、企業規模の大小を問わず、自社の強みとペルソナが決まっていれば作り出すことができます。また、コンセプトのことをブランドアイデンティティや、ブランドスローガンと呼んだりもします。特にブランドスローガンとなると、先述のBESSさんやトーヨーキッチンスタイルさんのような、コミュニケーションコピーとして秀逸なものを目指したいため、プロのコピーライターに依頼することをおススメします。ブランドスローガンは、ホームページのトップはもちろんのこと、コンセプトページにも掲載されます。また、パンフレットや名刺や現場建築シート、看板、カーラッピングなど、顧客が接触するすべてのものから発信される統一されたメッセージとなります。

 

つまりブランドスローガンは、すべての事業活動を統制する、

工務店の「あり方」「軸」となります。

 

ここまでの言葉の定義ができたら、合わせてブランドプロミスと言われる顧客への約束を検討していきます。ブランドプロミスは、顧客に提供する価値を「約束」として言語化したものです。当然ながら、約束は守ることが求められます。約束が守られないと、その工務店は信頼を失うことになるため、自分たちが信じることができて、かつ実行できるものを定めます。

 

工務店の「あり方」「軸」としての【ブランドスローガン】

そして、その価値を約束する【ブランドプロミス】

 

このセットができることで、工務店集客の方向性が定まったと言えます。工務店の皆様は、とにかく集客をしたいとお考えだと思いますが、どの山に登るのかも決まっていないということは、地図もなく、道具も定まらない中で、とりあえず目の前の山に登りはじめたという状態です。たまたま目の前の山が、自分たちの目指す方向性と合致していれば問題はありませんが、きっと途中で気付くはずです。このまま進んで大丈夫なのかな?登る山を間違えていないかな、と。そうならないためにも、まずは自分たちの「あり方」「軸」を定めることで登る山を明確にし、あとは迷いなく登るのみ、という確信を持つことが大事です。

④工務店の集客拠点【ホームページの制作】

 

さて、自分たちのあり方や軸が定まりました。工務店として目指す方向性が明らかになったのです。ただ、もうひとつ大事な準備があります。それは工務店集客の拠点となるホームページの制作です。多くの会社はすでにホームページを持っているかと思いますが、これまでに定めてきたブランドスローガンや、ブランドプロミスを体現したホームページになっているかを点検をしていただきたいです。

 

ホームページのコンセプトページには、ブランドスローガンとプロミスを掲載することはもちろん、掲載する写真等もビジュアルイメージを印象付ける大事なコンテンツなため、こだわりを持って撮影したいところ。また、例えばワンチームといった営業・設計・施工の連携力を強みにしている会社は、社員が活発に打ち合わせをしているような内容を掲載したいですし、それぞれの部署がお客様とどのように接しているのかを分かり易く説明するコンテンツがあってもいいと思います。

 

このように、自社のスローガンとプロミスに伴って、掲載していくコンテンツの方向性が決まるため、スローガンとプロミスが定まったら原則、ホームページの見直しが必要となります。

 

また、検索で上位表示させたい戦略キーワードの設定や、ホームページに訪れた方が迷わず求めている情報に辿り着けるような導線設計も必要になります。問い合わせフォームにおいても、入力項目が多すぎたり、エラー表示が分かりにくかったりすると、フォームの入力完了率が低下するため見直しが必要です。

 

このように、ホームページにお客様を集客する前にやることが色々ありますので、遠回りに思えますが手順を間違えず実施したいところです。

 

リアルなお店で想像していただければ当たり前のことなので、少し想像してみてください。

 

まずはそのお店のコンセプトが伝わるように空間全体がデザインされていること、買ってほしい商品がきれいに陳列されていること、導線が分かり易く示されていること、レジは混雑することなく効率的な運用がされていること。

 

これらはホームページでもまったく同じです。コンセプトが伝わるホームページデザインであり、商品ラインナップが丁寧に掲載されており、メニューボタンからの導線が分かり易く設置されており、問い合わせフォームは時間を掛けずに完了できる。

 

顧客視点に立って考えてみれば当たり前のことです。

 

リアルなお店であった場合、その正しい準備もされていない状態で広告を実施して集客などしないはずです。集客をすればするほど、自社のイメージは実際のものとはかけ離れていきますし、落胆するお客様を増やすことにも繋がります。それであればしっかりとお店の準備をして、それから集客をはじめようと判断するはずです。

 

ホームページでも考え方は同じです。

 

工務店の皆様が集客力を高めるためには、ホームページの準備をしっかりした後に、広告等を実施することが成功への最短ルートだと言えます。

 

今回の「工務店集客のための10のステップ-前編」は以上となります。

また後日、改めて後編をアップさせていただきます。

 

 

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